シンク周りが渋滞するのは、“洗う→置く”の動作が途中で止まるから
皿を洗って持ち上げたとき、置く場所を一瞬探すことがあります。そのわずかな間に、水が落ちるのを避けようと持ち直し、腕が止まります。これが続くと、洗った皿が手元に残り、シンクまわりがすぐいっぱいになります。
原因は、「洗う→置く」がひとつの流れになっていないこと。距離・高さ・視線のズレが、余計な動きを生みます。
“距離・高さ・視線”のズレが、余計な動作をつくる
置き場が遠いと、皿を持った腕を前へ伸ばす時間が長くなり、持っている時間も増えます。距離が近いだけで、腕をほぼ動かさずに置けます。
置き場が低いと、手首を下へ返す動作が増え、置く角度が安定しません。高さがそろうと、手首の角度を変えずに“そのまま前へ”置けます。
視界の外に置き場があると、どこに置くかいったん判断する必要が出ます。視線の延長に置き場があると、見たままの方向に手が動きます。
こうしたズレは、日々の小さな動作にも現れます。たとえば、洗った皿をいったん作業台に置き、あとでまとめてラックへ移動する。あるいは、大きい皿から置くか、小さい皿から置くかを一瞬迷う。どれも数秒の違いですが、何度も繰り返すとその分だけ動作が途切れ、片付けのテンポが落ちていきます。
さらに、家族と使う高さが違うキッチンでは、置き場が見えにくい位置になったり、ラックの向きが自分の動線と合わなかったりと、小さな不一致が生まれやすくなります。これは「作業が遅い」のではなく、動線が体の動きと一致していないだけです。流れがそろうと、無理なく迷いが減り、手が止まる回数も自然に減少します。

“洗う→置く”をひと続きにする3つの整え方
配置は少し変えるだけで、手の動きが自然につながります。実際に動かす方向をイメージしながら見直すのがコツです。
① シンクのすぐ横に置き場を寄せる
水切りラックをシンクの真横に置くと、皿を持った手が“横へスッ”と動くだけで置けます。持ち替えが減り、皿を持っている時間も短くなります。
横方向の移動だけで済むので、動作がシンプルになります。
② 手の高さと近い位置にそろえる
置き場が低いと、皿を置くときに腕を下げる動作が入ります。シンクのヘリに近い高さに合わせると、腕の高さが変わらないまま前へ置けます。
高さが合うだけで、手首の動きをひとつ減らせます。
③ 視線の延長に置き場をつくる
“見えている方向にそのまま手を出す” のがいちばんラクな動作です。置き場が視線の延長にあると、迷わず置けます。
軽く角度が見えるだけでも、次の皿へ自然に動けます。
シンク周りが詰まりやすい、ほかの原因
・布巾の戻し場所が決まらず、一時置きが増える
・スポンジが遠く、洗う前後で手が止まる
・洗剤ボトルが手前にあり、置くスペースを圧迫する
・深いトレーだと皿が重なり、置く瞬間に迷いが起きる
・家族によって置き場所が違い、流れが毎回リセットされる
流れがそろうと、シンク周りは自然に片付く
置き場がひとつに決まると、皿を持つ手が迷わず動きます。水が垂れにくくなり、動作の流れも安定します。シンク周りが空きやすくなり、片付けが続けやすくなります。
まとめ:渋滞は“動作の止まり”が原因。整え方は3つで十分
原因は距離・高さ・視線のズレ。整え方は、置き場を寄せる・高さを合わせる・視線の延長に置くの3つ。今日からすぐ実践できます。
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